第5シリーズ 第2話 「箱根の鬼」
あらすじ:
北町奉行所与力・西尾伝三郎(益岡徹)は箱根で、江戸送りとなる罪人・伝吉(成瀬正孝)の身柄を引き受けました。一行は途中、賊に襲われ、伝吉を奪い返された上、伝三郎は崖から落ちて行方不明になり、同行した岡っ引きの佐次(塩見三省)だけが江戸に帰って来ました。蔦吉(若村麻由美)や佐次、おえん(奈月ひろ子)が揃って斬九郎(渡辺謙)に伝三郎救出を説得しましたが、仕事で行ったのに自分なんかが行ったら伝三郎のメンツに関わると言って聞きません。
その日、陽が西に傾いたころ、佐次がやけ酒を飲んでいるところに来た斬九郎が、「飲んでる場合じゃねぇだろう、支度はまだか」と言いました。更に、「誰にも内緒だ。伝三郎はてめぇの力で立派にお役目を果たすんだ」と言います。翌朝二人は箱根に向け、出発しました。
箱根に着いた斬九郎は、伝三郎が襲われた現場で、おはる(佐藤恵利)という野良着姿の女に会いました。おはるは何かを知っているそぶりで・・・。
今週の蔦吉:
《蔦吉ファン》としては、斬九郎を追って行った箱根でのうれしそうな超明るい表情だけで、十話分くらいの価値があると思います。 この場面はほんの数秒なので、蔦吉のファンの皆様は見逃さないように。
困惑

佐次がアタマを畳に擦り付けんばかりにして斬九郎に箱根への同行を頼みますが、三味線をビャヒン、ビョヘンと鳴らすだけで、うんともすんとも言いません。結局、神田祭の屋台より高い山を見ると目がくらくらするなどとバカなことを言って断ります。

苦々しく見ていた蔦吉が見かねて斬九郎の三味線の竿をつかみ、「それが男の言う事か」などと言って説得しようとします。

斬九郎は蔦吉の手を払って,自分が出張っていったら奴の面子にも関わると言いました。蔦吉は困惑したような微妙な表情をして、黙って出て行きました。
喜び
役者崩れの和七郎を利用して箱根まで来た蔦吉の打って変わった嬉しそうな明るい表情です。着物の色は薄茶色というか、黄土色というか、ヤマモモ色と言うんでしょうか、初めて見る色です。

斬九郎に会えるのが嬉しいのか、はたまた旅芸人をやるのが嬉しいのか。《蔦吉ファン》としては、蔦吉史上最も明るく嬉しそうな表情ではないかと思います。

とにかく嬉しそうで...、なんかルンルンてな感じです。可愛いですねぇ。
芝居
蔦吉が侍、和七郎が腰元を演ずる芝居です。二人の道行きのようで、流れる歌は「忍びの旅衣着つつなれにし振り袖も・・・」。小屋の入り口に掲げてある看板に「蔦紅葉宇都谷峠」(つたもみじ うつのや とうげ)と『小袖曾我薊色縫』(こそで そが あざみの いろぬい)と書かれていましたが、ネットで見た限りでは、違う芝居のようです。御家人斬九郎シリーズのオリジナルかも。

《蔦吉ファン》としては、このヘアスタイルはあまり好きじゃありませんが、個人的に何とか許せる一枚を選びました。しかし、この髪型は何でしょうか。この役は二本差し(侍)ですが、側頭部、耳の辺りが町人のような、後頭部はサムライのような感じで、今まで見た記憶がありません。
踊り
2週連続の踊りで、久しぶりの木遣りくずしです。

これは扇をふすまに見立てて開けたような感じに見えるところです。

この後、蔦吉の背後から踊りを見た場面が出てきます。珍しい。