第4シリーズ 第6話 「脱獄」
あらすじ:
斬九郎(渡辺謙)のところに、奉行所の伝三郎(益岡徹)が、罪人の打ち首の仕事を持ってきました。首切りと言っても自分のは切腹の介錯であり、罪人の打ち首には気が進まない斬九郎ですが母、麻佐女(岸田今日子)に引き受けさせられてしまいます。首を切る相手は岩蔵(新井康弘)という盗人で、若い同心を殺しているため、奉行所も即刻処刑したい相手でしたが、脱獄されてしまいます。
追手を逃れた岩造は船宿の「舟久」に忍び込み、女将・おえん(奈月ひろ子)と女中のお光(奥田小百合)を人質にして立てこもりました。翌日訪ねて来た蔦吉(若村麻由美)も人質になってしまいます。岩造が舟久に入ったことを知らない斬九郎は、岩蔵がいなくなって内心ほっとしますが、前金で貰った謝礼を麻佐女がすでに高級料亭で使ってしまったため、岩蔵探しに協力する羽目になりました。岩蔵にはお浜(山下智子)という女がいたことが分かり、斬九郎は伝三郎等と共にお浜に会いに行きますが・・・。
斬九郎は蔦吉が人質になり、危険な目に遭ったりするので大変心配します。
余談ですが、最後の場面の麻佐女の金に対するえげつなさが...、なんとも...、後味が悪い。
今週の蔦吉:
おえんとお光を助けるために岩蔵と交渉したり、自分だけが人質になって岩蔵に付いて行くといった行動や、解放されるときに心配そうに岩蔵を見る表情などに、蔦吉の“人を助けたい”という強い思いが表れているような気がします。
今回は、珍しく緊張した顔と、本当の悪党を見る冷たい怒りの様な顔も見られます。
締め出し
蔦吉が舟久に来ると、まだ玄関が開いていませんでした。不審に思った蔦吉は...。

蔦吉は、どうしたのか、店を開けないのかと聞きますが、中からは反応がありません。仕方ないので、障子に穴を開けて覗いたり、おえんやお光の名を呼んだりしました。この写真は、それでもやはり無反応なので、諦めて唇をぎゅっと締めて引き返そうとする蔦吉です。表情が可愛い。

すると、岩蔵の指示でお光が出てきました。姐さん帰って下さい、女将さんの具合が悪いから今日は休ませていただきますといって引き戸を閉めますが、却って蔦吉を心配させ、「それは大変だおえん姐さんに合わせて」となってしまい、お光はどうして良いか分かりません。
拘束

結局、おえんの事が心配で帰ろうとしない蔦吉を岩蔵が引きずり込みました。蔦吉は抵抗しますが、岩蔵には勝てず、押し倒されます。牢を破ってきた男だと聞いて、恐ろしさからか、後ずさりします。大きく見開いた目が可愛いなぁ(そんな状況じゃないのは分かっているんですが...)。

お浜に会いたくて脱獄したという岩蔵に、お浜を探して連れてくると話しかけますが、信用できないと断られます。
解放
お浜と会うために向島の長命寺に行きたい岩蔵に、自分が人質になると言って、舟で同行します。夜も更け、岩蔵は途中の水車小屋で夜を明かすことにしました。水車小屋の柱に縛り付けられた蔦吉は、お浜を“有り難い弁天様”とまで言う岩蔵の身の上話を聞きました。事件の背景が少し分かったのではないでしょうか。

岩蔵が水車小屋に隠れていることが分かり、超心配顔の斬九郎と伝三郎以下の捕り方が水車小屋を取り囲みます。そこに筆頭与力の山上要之助(磯部勉)がお浜を連れてきました。
お浜と蔦吉を交換するため、岩蔵が水車小屋の戸を開けようとするのを固唾を呑んで見守ります。これ程緊張した蔦吉を見るのは御家人斬九郎史上初めてです。
同情(憐憫)
翌朝かな、舟久にて。

「・・・・・・余りにも惨(むご)すぎる」と悲しい表情の蔦吉です。

伝三郎と斬九郎の話で事件の裏が良く分かった蔦吉です。何を思うのでしょうか。蔦吉はここまでですが、まだ物語は終わっていません...。