遅れて来た
蔦吉ファンサイト

時代劇、御家人斬九郎を観ましょう!

第1シリーズ 第7話 「遊蕩の指南」

あらすじ:

蔦吉(若村麻由美)の客、河村忠兵衛(蟹江敬三)はなんとも変な侍でした。どうしようもない堅物で酒も飲めないのに、五百両という大金を持っていて、一夜の遊蕩三昧で使い切りたいと言います。向かいの部屋で飲んでいてそれを聞いた斬九郎(渡辺謙)が座敷に勝手に入り込み、遊蕩三昧なら得意だから教えてあげると言います。

そこで蔦吉もあきれる飲めや歌えの馬鹿騒ぎをして帰りますが、帰りに忠兵衛は侍の一団に襲われ、斬九郎と蔦吉が撃退します。聞けば持っていた五百両は藩(奥津藩)の公金で、後で偽金であったことが判明します。斬九郎はこの偽金騒ぎに巻き込まれていきます。

今週の蔦吉:

忠兵衛に貰った花代がこの偽金だったため、一人で奥津藩の重役の行動を調べたりしますが、斬九郎とは別行動だったのが幸いしたのか、結果的に斬九郎の命を救うことになります。

今週の単語(古語、符丁の類い):

(1) しわい=けちくさい、しみったれている(大修館 全訳古語辞典)

忠兵衛が自分の藩のことを「石高21,000とび31石の小藩」と言ったとき、斬九郎が「とび31石の勘定方か、金にしわいわけだ」と言いました。ネット情報では、現在も各地の方言の中で、けち、生意気、しつこい、食べ物などが固い等の意味で使われているようです。

(2) お茶っぴき=(「御茶挽き」のことだと思われます)客がなくて暇な芸者・遊女

下記「痴話げんかかぁ?」の写真解説に少し詳しい説明があります。

客一人
蔦吉が小唄を唄っているのにちっとも聞いていない忠兵衛。

蔦吉が唄っているのにちっとも聞いていない忠兵衛。酒も飲めない堅物なのに五百両もの金を持っており、一晩で使い切りたいといいます。

ちなみに蔦吉が歌っているのは春雨という端唄、「~わたしゃ鶯、主は梅、やがて、身まま気ままになるならば~」。春雨の歌詞と現代語訳はこちらが良いかと思います。

座敷に割り込んできて、放蕩三昧の指南をすると言う斬九郎と、忠兵衛に注意する蔦吉

向かいの座敷でその話を聞いていた斬九郎が座敷に割り込んできて、遊蕩三昧の指南をするといいます。乗り気な忠兵衛に「ちょいと、この人はね、旦那のお金で遊ぶってんですよ」。

蔦吉は曲がったことが嫌いなのに対し、斬九郎は酒や遊びとなると真っ直ぐなのか曲がっているのか、見分けがつかなくなる様で...。普通の時代劇ヒーロー像とは可成り違いますね。

忠兵衛、襲われる
侍たちに襲われる忠兵衛を助ける蔦吉と斬九郎

侍たちに襲われる忠兵衛を蔦吉が助けるていると、斬九郎が助けに来ます。「女だてらに又喧嘩かよ。」「何のんきな事言ってんだい、狙われてるのは私じゃないよ。」

その後、蔦吉が斬九郎に忠兵衛を泊めてやれと言うのに斬九郎が抵抗しますが、蔦吉の「分かりました、うちへ来てもらいましょう、さあ、参りましょう」、で斬九郎の負け。結局、斬九郎が母親、麻佐女(岸田今日子)の反応を心配しつつ、自宅に連れて行きました。忠兵衛は麻佐女とうまくやれるんでしょうか...。

痴話げんかかぁ?

麻佐女は忠兵衛に興味を持ち、詳しい事情を知ると、「よう分かりました、一夜の宿りなどたやすい事じゃ」だそうです。

翌朝斬九郎は忠兵衛から(多分)礼として5両もらいました。その夜、“当然のごとく遊蕩し悪酔いした” 斬九郎に暇そうな蔦吉が話しかけます。内容は忠兵衛のことで、痴話げんかの一歩手前みたいな軽い言い合いになりました。

忠兵衛に惚れているかと聞く斬九郎に誰にも惚れないと言う蔦吉

「(忠兵衛に)惚れてんのか」。「焼きもち。 あたしゃ誰にも惚れないんです。」 やっぱり蔦吉は斬九郎に対して素直じゃないようで...。

参考:この会話の中で斬九郎は蔦吉に「お茶っぴきか、おめえ」と言いました。これは多分「御茶挽き」のことで、国語辞典『大辞林』には「芸者・遊女が、客がなくて暇なこと、また、その芸者・遊女」だと書かれています。

この後、斬九郎は舟久の女将おえんに頼まれて、新人芸者の〆蝶(しめちょう)と遊びに行き、忠兵衛から貰った5両の残りの1両を花代として払います。

危機~内緒話

斬九郎がおえんと〆蝶に払った計5両は偽金だったと判明。与力の西尾伝三郎(益岡徹)以下が捜査を始め、斬九郎ははなはだまずい事になります。蔦吉から舟久の奥に呼ばれて、ついて行くと...。

廊下で偽金について話す蔦吉と斬九郎

蔦:「偽金使うとはお前さんも良い度胸してんじゃないか。」 

与太話ですが、《蔦吉ファン》にとって、この写真は高校生のカップルが学校の廊下で話してるような雰囲気がしして、個人的に懐かしいような懐かしくないような...。

自分も偽金を一枚持っているという蔦吉

「あたしも一枚持ってんですよ。」 蔦吉もお座敷の後に忠兵衛から花代として1両貰っていました。まじいんでないかい。

単独捜査

自分の客から始まった事なので責任を感じたのか、それとも斬九郎に頼まれたか、蔦吉は偽金鋳造の黒幕を探るべく一人で調べ始めます。

奥津藩の役人を一人で見張る蔦吉

奥津藩の重役が駕籠で来て両替商の近江屋に入るのを目撃。その後近江屋でどのような酷いことが行われたか、蔦吉には知るよしもありません。

奥津藩の江戸家老が近江屋から出て行くのを確認する蔦吉(若村麻由美)

重役が出て行くのを確認してから近江屋に行き、手持ちの偽金を見せて、裏金作りの話を聞こうとします。悪人達が素直に話すはずもなく、反撃を食らいますが...。

 

第1シリーズ