第3シリーズ 第6話 「美人局(つつもたせ)」
あらすじ:
薩摩藩による密貿易(抜け荷)を調べていた幕府の密偵が殺される事件が起こりました。そのころ、江戸では女一人の美人局による被害が発生していました。
ある夜、屋敷に帰る途中の橋の上で、斬九郎(渡辺謙)は美人局の女を追う被害者と出会いました。その男が去った後、橋のたもとに女装した男、松吉(松井誠)と、仲間の男、丑寅(不破万作)が現れました。別の夜、丑寅と女装でない松吉が小舟をこいで大きな船に近づきました。二人は抜け荷を追っていました。
斬九郎はこの「女」のゆすりの相棒をしたり、芸者「いく松」として斡旋したりします。
参考: 西尾伝三郎(益岡徹)によれば、長崎会所(長崎奉行の監督下にあった商人の自治団体)を通さぬ密かな売り買いが抜け荷。我が国からは俵物(昆布、干しアワビ、いりこ=干しなまこ)、銅、刀剣が密かに売られ、異国からは砂糖、絹織物、薬種が違法に入ってきている。
今週の蔦吉:
蔦吉(若村麻由美)は、御家人斬九郎史上最も恥ずかしい姿を見せてしまいます。
若い妹分が玉の輿に乗ったうえ、なじみの客からは色気がないと馬鹿にされて大荒れします。そんなときに、斬九郎が、妙に色っぽいと噂の芸者を斡旋したり、芸者遊びをしたりするのを目にして、さらに落ち込み、深酒をします。
ちなみに、この「芸者」の踊りをかなり長く見せられますが、《蔦吉ファン》としては、それより蔦吉の踊りを見たかったなぁというのが本音です(踊った松井誠さんへの悪意はありません、念のため)。
蔦吉は最後まで蚊帳の外で、「女」の正体に気づかず、落ち込んだり、嫉妬したりして、訳が分からないうちに、物語が終わります。ま、蔦吉は強い女なので、一暴れ、ふた暴れして元に戻った感じですけど...。
蔦吉荒れる

蔦吉は、若い妹芸者が玉の輿に乗ったうえ、なじみの客からは色気がないと馬鹿にされ、芸者をやめると言って舟久で大暴れします。ついには招き猫を壊そうとしますが、おえんが必死に止めます。この後、蔦吉は二階に駆け上がり、三味線をヤケ弾きします。

斬九郎は蔦吉を慰めようとします。しかし、「あるんですか色気、私に」という蔦吉に、一瞬言葉に詰まり、「美人局で試してみようか」と言ってごまかします。 蔦吉は斬九郎の頬に食べていた柏餅をたたきつけて階段を駆け下ります。
蔦吉落ちる

階段を駆け下りようとして滑り落ちた蔦吉。御家人斬九郎史上最も恥ずかしい蔦吉の姿かも。

痛い~と言って泣く蔦吉。足を痛めて暫くお座敷に出られなくなりました。
蔦吉傷つく(妬く)

「いく松」という新しい芸者が妙に色っぽいと聞いて気になります。お座敷の後、「色気がないじゃなし」とかうたいながら廊下で酔って歩く蔦吉です。そのとき、斬九郎の「いく松っ!」という声が聞こえました。「唐変木」と呟いてその座敷に行くと、いく松の踊りを楽しみながら飲む斬九郎がいました。
《蔦吉ファン》には、蔦吉は色気のあるいく松と自分を比較し、斬九郎が自分よりいく松を採ったように思い込んだのではと感じられました。いずれにしても、大いに傷ついたらしく、更に深酒をしちゃったようです。
蔦吉絡む

酔って舟久に来た蔦吉。二階に斬九郎がいると知り、上がって行き大いに絡みます。「なんだい、でれでれしやがって」等々。

酔っても可愛い。蔦吉が酔いつぶれた後、松吉は斬九郎に、「良か人ですねぇ、こん人は」と言いました。《蔦吉ファン》は激しく同意してしまうのでありますっ!
蔦吉外す

ずっと蚊帳の外にいた蔦吉は、なぜか寂しげに考え込んでいるような斬九郎を見て、的外れなことを聞きます。
「さみしい? そんなにあのいく松にご執心だったんですか。」 「いく松じゃねぇ。」 「え?」