第3シリーズ 第3話 「姉上」
あらすじ:
大奥に上がっている斬九郎(渡辺謙)の姉・いち(梶芽衣子)が七年ぶりに宿下がりしてきました。親戚やご近所への土産の品々に50両もの金が掛かるため、斬九郎親子は先祖伝来の鍋島の大皿を売ることにしました。辰巳芸者の蔦吉(若村麻由美)のつてで、焼物道楽の味噌問屋、三洲屋太兵衛(左右田一平)が二十五両で買ってくれました。太兵衛の娘・おしの(山本容子)は一旦武家の養女となり、大奥に行儀見習いに上がっていました。
注: 焼き物の鍋島についてはここが詳しいです。
今回は姉・いちの“理”と弟・斬九郎の“情”の確執のような筋ですが、《蔦吉ファン》としては、斬九郎の“メソメソ度”が若干高いような印象を受けました。物語自体は面白いですけど...。
今週の蔦吉:
二つの望みが叶うのか: 義父によって手討ちされそうな娘を助けようとしたり、遊び人だが心は温かい斬九郎と、生真面目で道理を重んじ、冷徹にも見えるいちの仲を取り持とうとする優しい思いが温かい。本当にいい女ですねぇ、斬九郎が羨ましい。
おどり
いちに堅苦しいことを言われ辟易していた斬九郎親子ですが、下々の遊芸に接してみたい、例えばおどりとか三味線とかいうものに、と言うので、ホッとして蔦吉におどりを披露して貰います。

いつ見ても美しい蔦吉のおどりです。《蔦吉ファン》としては全部見たいんですが、ここでは半分以下ですかね、たぶん。
おどりは小唄の「主さんと」で、歌詞は「主さんと 廓(さと)の浮名も立ちやすく 風の噂やうたてや辛や 流 れの身こそ」までです、残念。歌詞の意味はここが詳しいです。

座る後ろ姿が、いち。三味線を持って歌っているのが、船宿「舟久」の女将・おえん(奈月ひろ子)です。蔦吉も後ろ姿の場面の写真にしてみました。長く垂れた帯は「柳結び」と言うそうです(ここに書いてありました)。
おどりの後
蔦吉とおえんが挨拶に上がります。

蔦吉が「先ほどはつたない芸をお目に掛けまして」というと、いちは斬九郎の不在をいぶかり、日頃からこのような所に通っているのかと聞きます。 おえんは言葉に詰まりますが、蔦吉は何とか言いつくろいます(でも、いちから視線をそらしたので、バレちゃったかも)。
予想外の言葉
蔦吉は、その後、三洲屋の娘・おしのが大事に遭ったと聞きました。

三洲屋を訪れた蔦吉は、おしのが大奥で縫い針を一本無くしたかどで暇を下され、養女に行った先で手討ちにされる可能性があると聞きました。
蔦吉だから……

……斬九郎が、アルバイトをしている居酒屋・東八で、店を閉めようと火を落として、酒をとっくりから飲んでいると、蔦吉が来ます。
斬九郎は入ってきたのが蔦吉だと気づき、話しかけますが、蔦吉は無言のまま猫の頭をなでています。更に、「何だ、どうした」と言うと、蔦吉は思い詰めたような声で、全く予想も出来ない言葉を吐きました。斬九郎は思わず手に持っていたとっくりを落としてしまいます。《蔦吉ファン》も初めてこれを聞いたときは椅子から転げ落ちそうになりました(嘘ですが、そんな感じのする言葉です)。
蔦吉の望みは叶わないのか
蔦吉が斬九郎に頼み、三洲屋親子をいちに合わせました。おしのの助命のため、養父・高木久太夫(中野誠也)への口添えを頼みましたが、おしのの失態はお手討ちも致し方なく、「お引き受けいたしかねます」との返事でした。これで、いちと斬九郎の亀裂は決定的になりました。

三洲屋のおしのさん、いよいよお手討ちになるらしいですよ。
斬九郎なら...。
九郎に嫌われました
いちが、おどりのお礼を言いたいと舟久に蔦吉を訪ねてきました。

いちは、九郎に嫌われた、大奥に帰ると言います。冷たいと言われたり、情けを忘れた木偶人形だと言われたが、もっともだと思ったと話します。最後は「蔦吉どの、九郎をよしなに」。

斬九郎は舟久の階段の上でいちの話を聞いていましたが、見送りには出ません。蔦吉が一人で見送ります。
蔦吉の望みは叶うのか

いちを見送った後、舟久に帰ってきた蔦吉は斬九郎に聞きます。「(このままいちを大奥に帰らせてしまって)良いんですか? 本当に良いんですか?」
斬九郎だから...。