第3シリーズ 第9話 「可愛い目撃者」
あらすじ:
北町奉行所の与力・中林勘助(石橋蓮司)は、家庭に問題を抱えた暗い男です。妻は永く胸を病み、息子の兵吾(井筒森介)は家に寄りつかず、無頼の連中と付き合っています。
ある日、浪人していた夫を亡くし、国に戻る途中の女・りよ(日下由美)と幼い娘・八重(山本奈々)が殺人現場に遭遇し、八重は下手人の男の顔を目撃しましたが恐怖のあまり話せません。奉行所は母子をしばらく宿に泊めて八重の気持ちが静まるのを待つことにし、岡っ引きの佐次が警護していましたが、何故か居所を知られ、その夜中に宿で襲われます。
話を聞いた蔦吉がしばらく母子を別々に預かることを提案し、娘の八重は「舟久」の女将・おえん(奈月ひろ子)が預かり、母のりよは何と “独身” の佐次の家に世話になることになりました。斬九郎は情報の漏洩を恐れ、佐次に指示して、二人の行く先を親友の与力・西尾伝三郎にさえ秘密にしました。一方、事件は勘助が指揮を執ることになりましたが、それは良い判断ではありませんでした。
それはそれとして、やっと佐次に大事な女(ひと)が出来たかも...。
今週の蔦吉:
今回は、二組の親子(父親と息子、母親と娘)と佐次の物語で、内容はちょっとしたスリルもあって面白いです。その分、蔦吉の出番は少し薄い感じがしました。蔦吉にとって重~い内容の次回に期待しましょう。
預かり先
殺人を目撃した子供とその母親を奉行所が旅館にかくまいましたが、夜中に襲われたため、佐次が舟久に連れてきました。

舟久の女将おえんに三味線の手ほどきをお願いに来た蔦吉です。母子が命を狙われた話を聞いて「大変だったわねぇ。」

2階で対応を話し合っていた斬九郎と佐次が下りてきました。おえんは二人に頼まれるまでもなく、二人を引き受けると言います。 蔦吉は「でもまだ心配だねぇ。・・・・・(目立たないように)しばらくは別々の方が良いんじゃありませんか。」 この提案を受けて、八重は舟久、りよは佐次が(え゛~!?ホンマか)預かることになりました。
二本差し
八重から犯人の人相を聞き出すようにと、佐次に頼まれた斬九郎はなんとか八重の心を開こうと努力します。

舟久の2階の窓辺で斬九郎が八重に「(犯人は)刀を差していたんだよなぁ」と聞いたところ、通り掛かった侍を指さしました。「二本差しかぁ。」
余談ですが、3人の顔がまだらに見えるのは、水面に反射した日差しがゆらゆらと当たっているためです。

「良くできたぁ。」 やっと糸口が見つかったといった所でしょうか。
失踪
舟久で斬九郎が引き続き八重を安心させようとしています。一方、母親のりよは突然佐次宅からいなくなりました。

斬九郎が八重に添い寝しているのを団扇で扇いであげている蔦吉。

突然居なくなったりよを心配して舟久まで探しに来た佐次に、「そんなに気になるんだったらよぅ一緒になっちまえば良いじゃねぇかよ」と言ってからかった斬九郎。その時の反応を見て、「(佐次は)マジだぜ、おい、ありゃひょっとしたらひょっとするぜ。」
りよは何者かに拉致されていました。
置き土産
事件が解決し、国に戻ることになったりよ親子を舟久の前で見送る一同。何故か佐次は居ません。

舟久から一端歩き出した母子でしたが、八重が戻ってきて斬九郎に手まりをあげ、「さようなら」と言いました。蔦吉:「初めて口きいてくれたわねえ。」

嬉しそうな斬九郎は一言「達者でな」と言って二人を見送ります。
見送りの場にもいないで、佐次はどうしたんでしょうかねぇ。