第3シリーズ 第8話 「切腹志願」
あらすじ:
斬九郎(渡辺謙)が行きつけの飲み屋「東八」に呼ばれて行くと、酒が用意され津田仙之助(石田登星)と名乗る若い浪人が待っていました。斬九郎が片手業で切腹の介錯をしているとの評判を聞き、切腹の作法を教えてほしいと言います。
教えている最中に、すぐに帰れとの使いが来たので、仙之助に船宿「舟久」で待つように言って、屋敷に戻りました。すると切腹の介錯に行くための駕籠が待っており、母親の麻佐女(岸田今日子)がすでに五両の礼金を受け取っていました。駕籠が津田孫兵衛(山田吾一)という初老の侍の屋敷に着くと、孫兵衛が白装束で切腹の用意をして待っていました。
いざ切腹というときに、孫兵衛が「花井殿の屋敷に参って、約束を守って頂ければ、後に恨みは残さぬと伝言を」と頼み事をしました。斬九郎は、さっきの仙之助も「花井」と言っていたことを思いだしました。訊くと仙之助は孫兵衛の息子だといいます。「何かある」と直感した斬九郎は、無理を言って孫兵衛を待たせたまま、仙之助が待つ舟久に急ぎます。
舟久では何と仙之助の女房おふみ(菅原あき)が友達だという蔦吉(若村麻由美)が仙之助と共に今か今かと待っていました。仙之助の話を聞くと、おふみの5歳の弟、とめ坊が花井の嫡男・求馬(もとめ:木下裕之)に無礼討(ぶれいうち)され、仙之助が求馬と刃傷沙汰を起こしたことが分かりました。3人の理解では、孫兵衛が腹を切るのは仙之助の刃傷沙汰の責めを負ってのことでした。しかし、事実はそれ程単純ではなさそうです。
今週の蔦吉:
おふみの弟が斬殺されたうえ、その夫が切腹をすると言い出しますが、武家のしきたりやけじめ、メンツなど意に介さない蔦吉は、友達の夫が理不尽な理由で切腹することなど許せず、必死に止めようとします。そのために斬九郎に助けを求め、自分も積極的に役割を果たします。
前半は「気に入らん顔」も出て来ますし、後半は、時代劇御家人斬九郎シリーズ最初で最後の風呂上がりの洗い髪で出ます。《蔦吉ファン》としてはあまり好きな髪型ではありませんけど...。