遅れて来た
蔦吉ファンサイト

時代劇、御家人斬九郎を観ましょう!

第3シリーズ 第10話 「待ちぼうけの女」

お断り:

これまで、写真はスペシャル以外は1話につき8枚を標準にしてきましたが、今回は中身が濃くて、13枚になってしまいました。(18/12/06更に1枚追加。)

あらすじ:

正月のある夜、深川で火事があり、蔦吉(若村麻由美)の身を心配した斬九郎(渡辺謙)は急ぎ駆けつけますが、途中で足に怪我をした女お島(紺野美沙子)を見掛けました。斬九郎はお島を助け、船宿「舟久」に連れて行き、世話を頼みました。

お島は娼婦でしたが、武家の出で、父が浪人したため身を売り、その後岡場所を転々としていました。このままゴミみたいな所で年取って死んでいくのはいやだと言って、斬九郎に足抜きを手伝ってくれるよう頼みました。

この火事で焼けたのはお島がいた娼家1軒だけでしたが、男が一人焼死しました。その男の袖の中から、薬種問屋・国分屋の蔵の鍵が出てきました。国分屋の手代で同じ年格好の粂造が大晦日から行方不明で、蔵の金が三百両なくなっていたそうです。実は、粂造はお島のなじみの客でした。

今週の蔦吉:

自分の仕事に対する誇りを打ち砕かれたか...、貧しい女の人生の過酷さを思い知らされたか...。

斬九郎が美貌のお島に惚れてるのではないかとの懐疑心から、蔦吉は二人の仲が気になって仕方ありません。蔦吉の片思いの切なくもやるせない気持ちや、蔦吉だけには気後れしてしまう斬九郎の不甲斐ない想いが感じられるような気もします。

いずれにしても、蔦吉にとって辛く長い正月だったのではないかと思います。

苦悩の始まり

蔦吉が年始の挨拶に舟久に来ると斬九郎がいて、二階から医者が降りてきました。

2階から医者が降りてきたのを見ていぶかる蔦吉

舟久の女将・おえんに何事かと聞くと、昨夜の火事で焼け出された人を斬九郎が担ぎ込んで来たと言います。斬九郎と二階に上がってみると美しい女が居ました。その女に向かって身内に知らせようかと言う斬九郎に、蔦吉は焼けたのはあひる町だ、岡場所だと教えました。

注:「あひる町」は深川佃町のこと(幕末の随筆「守貞謾稿」巻之二十二)。

完敗!

夜、お座敷からの帰り、蔦吉は数人の男が一人の女を捕まえて乱暴に連れて行こうとしているのに遭遇します。

ちょいとお待ちよ。女一人を大の男が寄ってたかって何だい。

「ちょいとお待ちよ。女一人を大の男が寄ってたかって何だい。」

逃げた女を捕まえて当然だと反論されて言葉に詰まる蔦吉

男から、火事のどさくさに足抜けした女だ、借金のある内は勝手出来ないのが決まりだ、おまえの仕事も同じだろう、と言われて言葉に詰まる蔦吉です。

その後、どうせ他の場所じゃ生きていけないんだと言って女を引きずっていくのを、無念そうな、悔しそうな顔で見送ることしか出来ません。更にその後、息をすーっと吸い唇を結びました。蔦吉は何を思うのでしょうか。

反対!
斬九郎とお島が2階で歩く稽古をしていると聞いて,この表情

ため息つきつつ舟久に行くと、二階で物音がしました。おえんに聞くと、例の女が斬九郎と歩く稽古をしていると言います。それを聞いて蔦吉はこんな顔をしました。その後、二階に行ってみると、お島が斬九郎に足抜きの手伝いを頼みました。

足抜きの片棒担ぎに反対する蔦吉と、訳の分からない反応をして出て行く斬九郎

蔦吉は足抜きの片棒担ぐなんてしない方が良いと言いました。斬九郎は無言で蔦吉の手を人差し指でつんつんして出て行きました。《蔦吉ファン》は意味が分かりません。

連敗!⇒固まる

1月11日、お島の痛めた足が治った様です。

蔦吉はお島に斬九郎の住まいを聞かれますが、断ります。足抜きの手伝いを頼むつもりなら、斬九郎は御家人だし、お袋様も居るので色々差し障りがあるといった理由です。

お島:「なんだい偉そうに、芸者と岡場所の女にどれだけの違いがあるって言うんだよ。どっちも女を売っているんじゃないか。お袋様がどうのこうのって、あんたが嫌なんだろう?あたしが旦那に近づくのがさ。」

斬九郎に抱かれたかとお島に聞かれた蔦吉

お島に「抱かれたのかい?」と言われた蔦吉は、思わずお島の横っ面を張ってしまいました。

酷な質問をされ、鼻で笑われ、敗北を感じたような蔦吉

お島は答えは「No」だと理解したようで、鼻で笑いました。この写真はその時の蔦吉の表情です。敗北を感じたのか、この後、蔦吉は斬九郎の屋敷の場所を教えてしまいます。お島は「世話になったね」と言って出て行きます。蔦吉は一人残った部屋で固まっていました。

怒り!

斬九郎が舟久に来るとお島は出て行った後でした。あひる町に帰ったのかと言う斬九郎に、蔦吉は酒をぐいっと飲み、「あたしたちゃ何もあの人の見張りじゃありませんから」と言います。

何故蔦吉が自分に当たるのか理解できない斬九郎

斬九郎はおえんに「どうしたんだよ」。蔦吉は「どうもしませんよ、そんなに気になんだったら足抜きの片棒だって何だって担ぎゃあ良いじゃありませんか」と言って、気まずい雰囲気の二人を残し、出て行きました。

ヤケ踊りか?

斬九郎は、甲州まで行きたい、八王子辺りまで付いてきてというお島に頼まれ、送って行くことにしました。

蔦吉の心は千々に乱れていたんでしょう、多分。

ちょっと品の無い歌詞の賑やかな唄で踊る蔦吉。ヤケ踊りか。

ちょっと品の無い歌詞の賑やかな唄でおどります。「スチャラカチャンチャンスチャラカチャン、どしたぁ。」 「隣の座敷の......。」 しっとりした踊りなんか踊ってられるかいってな感じですかね。

一方、斬九郎は、一緒に泊まった最後の旅籠で「お礼に」と、帯をほどくお島に誘われますが、「いいよ」と断ります。お島に「蔦吉さんに悪い?」と図星を指され、ちょっと考えるようなそぶりを見せます。

 
千鳥足で「遠く離れて会いたいときは、月が鏡になれば良い」と歌って、大きく「はぁ」とため息をつく蔦吉

座敷の後、千鳥足の蔦吉は、「好きな斬九郎がお島の所に行っちゃった」みたいな感じでしょうか、「遠く離れて会いたいときは、月が鏡になれば良い」 と歌って、大きく「はぁ」とため息をつきます。

聞きたい?

粂造の事件が解決しました。斬九郎も帰って来ました。

これ以後四分ほどの二人だけの(屋台のおじさんを除く)エピローグ(終章)です。

斬九郎とお島の関係を聞き出したいけど聞きたくない蔦吉と、お島を哀れと思いつつ、蔦吉に自分の思いを言おうか言うまいか迷う斬九郎のやりとりみたいな...。

屋台にいる斬九郎に気づく蔦吉

お座敷からの帰りか、蔦吉は通りがかりの屋台に客の影を見ました。そして...斬九郎だと気づき、その横に座ります。この後、見ていて切なくなるような二人のかみ合わない会話が続きます。

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...「(お島と)道中旅籠も一緒でしょ? そいじゃぁ、...構いませんけどね。」 「そいじゃ、どうして聞くんだよ。」 「独り言ですよ。」 「...。」 「それでお寂しい。」 「哀れな女だ。」 「あたし?」 「お島だよ。」 「へーえ。」 雪が降ってきました。...

会話はかみ合いませんが、蔦吉は本当に美しい...。

チャンスか?

先に蔦吉が帰り、斬九郎は、うまく行かねぇなぁみたいな表情をして、代金を払い、蔦吉を追います。追いついたときに蔦吉がバランスを崩し、斬九郎が支えようとして、一瞬かなり危険な(見方によっては大変喜ばしい)体勢になります。

かなり危険な(見方によっては喜ばしい)体勢になった斬九郎と蔦吉

煮え切らない二人のやりとりを見て気がモヤモヤしていた《蔦吉ファン》の心の天使と悪魔が、何故か変な大阪弁で次のような事を言ってました。

天使:「こら斬九郎、何躊躇してけつかんねん。絶好のチャンスやんけ、われ。ブチュッと行けブチュッとぉ!」 悪魔:「それはあきまへんわ、蔦吉が怒ったらどないしまんねん?」 天使:「あほか、そないな気ぃの小さいことでどうすんねや。」 悪魔:「ここは何とかうまく切り抜けて...。」 天使:「切り抜けるて、どついたろか、ホンマ。」

てなことで、話が終わりませんので、三択のクイズにします、この後二人はどうなるでしょうか。まず下の3つの内どれかを選び(丸をクリックしてください)、次に「回答する」ボタンをクリックして下さい。答えと写真が一枚表示されます。

ここに正解が表示されます。

 

雪の夜、斬九郎を振り返ってみる蔦吉

その後、二人は短いけれどもかなり重大な会話を交わします。この写真は更にその後の蔦吉です。

今回は《蔦吉ファン》としてはやるせなくもせつない物語でした。

 

第3シリーズ