第4シリーズ 第3話 「大利根の月」
あらすじ:
斬九郎(渡辺謙)は、ふとしたことから、芸者の蔦吉(若村麻由美)のそっくりさん、お町(わかむらまゆみ)の用心棒として下利根まで旅をすることになりました。女中奉公が明けて、惚れた男と一緒になるため郷里に帰るとのことでした。しかし、下利根一帯では、飯岡の助五郎(松井範雄)と笹川の繁蔵(長森雅人)の二大やくざ集団が激しい縄張り争いをしており、実は、お町は繁蔵の女でした。
下利根に着くと、二人は地元のやくざ助五郎の子分の一味に囲まれますが、斬九郎が簡単に追い払いました。しかし、その後、斬九郎のすきを突かれてお町は連れ去られてしまいます。斬九郎は繁蔵の用心棒の平手造酒(ひらてみき=近藤正臣)と知り合い行動を共にすることになります・・・。
一つ付け加えると、物語終盤の、愛する女の命をなんとも思わない男に対する斬九郎の怒髪天を衝く形相や、蔦吉をからかって、ちょっとほっとするような斬九郎の表情も興味深い物語です。
今週の蔦吉:
蔦吉の出番は少なく、最後の数分だけですが、短いなりに見応えはあります。
その代わり蔦吉のそっくりさんが出ます。顔はそっくりでも性格は正反対な感じで、男からすると大変魅力的な女性に見えます(蔦吉の性格が悪いと言うことではありません、念のため。)
しかし、ひょっとするとそれは斬九郎を騙すための演技で、本当は悪い女なのかも...。でもやっぱり演技じゃなくて、心の奥深いところでは斬九郎の言う通り、「いい女」なのかもしれません。
参考:
今回は、1844年(天保15年)にあった笹川の繁蔵と飯岡の助五郎の出入り(けんか)を下敷きにした物語です。講談、浪曲の「天保水滸伝」で有名な、この出入りで死んだ平手造酒も出てきますが、もちろん物語自体はフィクションで、史実とは違います。