第4シリーズ 第1話 「おふくろ」
あらすじ:
斬九郎(渡辺謙)は、穀物問屋で夜な夜な妙な音がするというので、用心棒の片手業(アルバイト)をしていました。或る夜、通用口のかんぬきが外れているのに気づきました。誰かが押し込み強盗でも引き入れたのか、と思ったら...。
てなことで、まー、その、なんだ、斬九郎の貧乏暮らしは相変わらずです。ある日、居酒屋の東八を旅装束の女・おりく(中村玉緒)が訪ねて来ました。京の女ですが、ここで息子の仙松(角田英介)と待ち合わせていると言いました。しかし、どうも話が変です。仙松は日本橋の呉服屋・京屋に奉公していましたが、年季は一年前に終わっているのに京へは帰って来ませんでした。そして、この日に深川の東八という酒場で待っている、という手紙が来たそうです。おりくは無理を言って東八で待ちましたが、翌朝になっても仙松は現れませんでした。おりくは、待ち続ける気で、東八で働き出しますが・・・。
今週の蔦吉:
友達や知り合いが、結婚したり、子供が出来たり、田舎に引っ込んでのんびりしてたりと、変わっていくのに、斬九郎と蔦吉(若村麻由美)は相変わらずです。蔦吉は、初め「毎年歳だけ重ねてます」なんて言ってましたが、最後は「あたしゃ変わりますよ、変わって見せます」だそうです。
みんなは変わっていくけど...
麻佐女(岸田今日子)に「もっと “じゃーらじゃら”(小判の)重々しい音が聞きたい」とか、「早くそなたの子を抱いてみたい」、「何時になったらこの様な暮らしが変わる事か」等と言われて屋敷を飛び出した斬九郎が居酒屋・東八に来ますが、閉まっています。頭にきて板戸に草履を蹴り飛ばしたり狸の置物に当たっていると蔦吉が来ました。

東八のおじさんは田舎でのんびりやってるとか、気が変わって戻ってくるんじゃないかといった話をする二人です。ちなみに、居酒屋・東八は佐次がもらい受け、時々自分でやっているそうです。

で、蔦吉がたまに一人で飲む深川今川町のそば屋に二人でやって来ました。酒を酌み交わしながら、周りのみんながそれぞれ変わっていくとか、自分たち二人は変わらないとか話します。蔦吉は「毎年歳だけ重ねてます」だそうです(この写真)。その時、斬九郎が、黒装束の一団が走って行くのに気づきました。当夜、深川堀川町の油問屋が押し込みに遭い、店の者が皆殺しになったそうです。
舟久に連れて行った方が良いな
おりくが東八で働き出しました。息子の仙松に関わる悪い話を聞いたおりくは、東八の厨房に駆け込み、包丁で自殺しようとしますが、間一髪斬九郎が止めました。

息子と心中するというおりくを抑えて舟久に連れて行く事に。泣きそうな顔をしておりくを見る蔦吉です。
おりくと蔦吉が東八を出ようとすると、入れ替わりに、第3シリーズの第9話で実家に帰った、りよと八重の母子が1~2年ぶりに佐次を頼って来ました。佐次は、二人の面倒は俺が見ると言いました。
南無八幡の親分ならきっと...
何としてもおりくと仙松を会わせてやりたい斬九郎は、伝三郎に口止めされている佐次を責めて、ある情報を聞き出そうとします。

斬九郎が佐次に、情報をよこせと言いますが、佐次は話すわけにいきません。階段を下りてきた蔦吉が、一人あやとりをしながら、南無八幡の親分ならきっと教えてくれると言いました。
その一言で、佐次は折れてしまいました。
夜四つに連れて行く
斬九郎が仙松の行方を捜していましたが、見つかったようです。蔦吉は舟久でのお座敷で、第2シリーズ第1話以来2回目の重ね扇を踊っています。

この美しさを表現する言葉が浮かびません・・・。あ、思いつきました、「ルール違反」です。そんなに美しいのはルール違反だろうがっという感じです。蔦吉は「ルール違反」が多すぎますね。

踊りの最中に、斬九郎が障子を少し開けて指を4本立ててから拝むような合図をしました。蔦吉はしっかり見ていました。合図は、「夜四つだ頼む」といった意味かと思われます。
ちなみに、“夜四つ”は季節や場所により変わりますが、だいたい夜の10時ごろに相当します。
仙松の足音か
お座敷の後、蔦吉は旅支度をしたおりくを連れて東八に来ました。「仙松は本当にここに」と聞くおりくに、「待ちましょう、斬九郎様はきっと今夜亥の刻(夜四つ)に(来る)って」と答えました。

二人は、りよに頼んで表に明かりを点けてもらい、仙松を待ちます。

仙松が近づいてきたのに気付いたのか、突然おりくが立ち上がりました。蔦吉は少し驚いたようにおりくを見上げます。
あたしゃ変わりますよ
すべては終わりました。東八は客で賑わっており、佐次とりよ母子が、かいがいしく働いています。

「手伝いにと思ったんですけど、手はありますねえ。あれはもう本当に夫婦と親子ですねえ。」 佐次と、りよ母子がうまく東八をやりくりしているのを見て、安心する二人です。

変わらないのは俺たちだけだと言う斬九郎に蔦吉は、「あたしゃ変わりますよ。変わって見せます」と言いました。変わったからか、珍しく蔦吉が東八に入って飲もうと誘います。自分が払うからとも。そのとき、斬九郎の頭に、おりくに言われたある言葉が浮かんできます。さて、二人はどうするんでしょうか。