第3シリーズ 第2話 「虎退治」
あらすじ:
川普請のアルバイト(かたてわざ)に出て腰の筋を痛め、「もそっと侍らしい片手業はないか」と聞く斬九郎(渡辺謙)に、佐次(塩見三省)が、野田屋のご隠居、清兵衛(奥村公延)が謝礼10両で虎を探しているらしいと言いました。斬九郎が清兵衛を訪ねると、探しているのは虎は虎でも、結城鉄斎という絵師が画いた虎の絵の掛け軸でした。結局1日につき1分(1両の4分の1)の探し賃と見つけた場合の謝礼10両で雇われることになりました。
そんな時、斬九郎の前に尼子兵衛之助(寺尾聰)という浪人が現れ、「幼い子が四人もいて、しかも下の娘は重病、自分にこの仕事を譲ってほしい」と懇願し、そばから離れません。その後、鉄斎の絵が見つかりましたが、古物商が50文(80分の1両、但し1842年以降は130分の1両)で売るという出来の悪い模写でした。
参考:幕末の喜田川守貞による随筆「守貞謾稿」巻の六に「うどん・そば各1椀値16文」と書かれています。従って、50文は掛け蕎麦3杯分強になります。
芸者の蔦吉(若村麻由美)が、ひいき筋の旗本が持つ本物の掛軸を持ってきましたが、清兵衛は模写の方が欲しいと言います。偽物を欲しがる理由を言わなければ渡せないと斬九郎が言うと、座敷の奥から薩摩藩の侍たちが斬りかかってきました。一方、幕府のお庭番も掛け軸を20両で買い取ると、斬九郎に接近してきました・・・。
今週の蔦吉:
斬九郎のために本物の掛け軸を見つけたり、偽物に高い金を払うのに強い抵抗を示しつつ3両を貸したり、斬九郎が舟久に連れて来た兵衛之助の子供たちを見て隠し子だと疑ったり、兵衛之助夫婦の運命に心を痛めたり、捕り方に囲まれた斬九郎を逃がすため戦ったりと、結構忙しいんですが、最後は子供達の手紙に「おばちゃん」と書かれ、ショックを隠せません。