第4シリーズ 第9話 「追われもの」
あらすじ:
豪商や米問屋の買い占めや売り惜しみで米不足となり、斬九郎(渡辺謙)の松平家でも米を手に入れるのが困難になっていました。
花代も出せず、やっと酒代が払える程度の斬九郎が舟久に行っても、蔦吉(若村麻由美)は大もうけしている米問屋などの宴席で忙しく、相手にしてくれません。代わって来たのが、上方から来て間もない、おしの(上野めぐみ)という若い芸者です。
おしのにも中座され、面白くない斬九郎は帰りますが、途中でおしのと中年の大柄な侍が話をしているのを見ました。男の名は大塩平八郎(中村敦夫)といい、大坂町奉行所の元与力でした。
庶民のために同志を集めて、買い占めをしている豪商らを襲いましたが、裏切りに会い、鎮圧されました。世を騒がせた大塩平八郎の乱の首謀者です・・・。おしのの父は、乱の時の農民代表で、大塩の身代わりになって死にましたが、生前に「おしのを訪ねるように」と大塩に伝えていました。
注: 大塩平八郎の乱は、1837年(天保8年)2月19日に起きた史実ですが、言うまでもなくこの物語はフィクションです。
今週の蔦吉:
芸者としての仕事は忙しいのですが、物語への関与は薄く、出番も少なめです。写真はいつもの8枚より少ない6枚です。
大外れ
「なーんだ、旦那だったんですか。いきなり今夜は大外れ。あたしゃ忙しいんですからね、旦那みたいなすかんぴん、相手にしている場合じゃないんですよ」、だそうです。

びっくりするほど景気の良いのは米問屋、蔵元、掛屋といった米の買い占めででっぷり太ったネズミどもだという斬九郎に、「そんなネズミ様だってお座敷かけて下さりゃ立派なお客、にっこり笑って勤めるのが芸者ってもんでござんす」。
注: 蔵元は諸藩の蔵屋敷(年貢米や諸産物を販売する施設)で蔵物の出納を行った役人又は商人で、掛屋を兼ねる者もあった。掛屋は幕府や諸藩の公金出納を任されていた町人。

酒代はあるが花代はないと言う斬九郎に、「お酒頼んできます」。で、そのまま別の座敷に行ってしまいました。代わりに来たのが新人芸者の、おしのです。
師匠

米問屋・高田屋の若旦那に小唄の稽古をつけている蔦吉です。端唄(小唄?)“からかさ”の一部、「はなれ 離れまいぞえあの千鳥がけ」だけ聞くことが出来ます。

「みんな米がなくて苦しんでいるのに、朝っぱらから小唄の稽古か、やってられねぇな」という斬九郎に対し、斬九郎とのやりとりが嬉しそうな蔦吉です。
このとき斬九郎は下の川端を必死に走るおしのを見かけ、直ぐに舟久を出て追いかけます。
誤解
斬九郎の行動が理解できず、あきれる蔦吉。今までとはちょっと違った雰囲気の表情です。

斬九郎が、慌てて走るおしのに「何かあったのか」と声をかけながら追いかけるのを見てあきれる蔦吉です。

「いつまで経っても落ち着かないやつ!」 でも、それは誤解なんだな...。